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近年英国では珍しい叙情的女性ボーカリスト、ジュリアンヌ・リーガン。典型的英国ロックと女性ヴォーカルとの組み合わせと言い切ってもいいかもしれない。
ちょっとサイケっぽいギターと、淡々としたドラム、ジュリアンヌの澄んだ、しかし憂いの色の濃いヴォーカル。月の光をそのまま歌にしたような、美しく叙情的で暗示的な歌詞。サウンドは前述からも判るように、ちょっと(かなり?)根暗で、耽美的である。
それにしても、70年代のロックが持っていた内側から生まれるロックの美を、80年代後半の彼女等が発しているのには驚かされてしまう。彼女等にもっと頑張って欲しいと思っていたが、残念ながらグループは解散、メンバーの消息が気になるが、紅一点のジュリアンヌは自身のバンドMICEを率いて活動を行っている。
特に5曲目の"Tuesday's Child"は根暗で大変気に入っている。きっと、「瞳水晶」を心地好く聴ける人にはこのアルバムは珠玉の一枚となることでしょう。
遊佐度
廃盤度
PHCR6052/日本フォノグラム/1989
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考えてみれば英国の音楽とは何であろうか?アメリカはジャズ、イタリアはオペラとすぐ浮かぶが、英国は何と言ってもTrad&Folkに決定!Tudor Lodgeは美しい女性ヴォーカルを中心とした3人組のバンドである。ここに弦楽器、ホルン、オーボエといった室内管弦楽の楽器群が加わえられており、気品溢れる澄んだ音空間を創っている。しかし、ファズの効いたエレキギター、どたばたと手数の多いドラムという、サイケな風味もあり、時代背景を偲ばせてくれる。
サウンドは正に森の中のコンサートと言った感じで、1曲目の管弦楽のイントロに導かれてアコースティクギター、女性ヴォーカルが入ってくる瞬間の美しく高貴なサウンドは本当に感激物である。
もし本作が日本語で歌われていたなら、「ハルモニオデオン」と題名がついていも何の違和感も感じないだろう。オリジナルはド廃盤で大変高価だがCDで再発された。
遊佐度
廃盤度 (オリジナル盤)
Vertigo 6360 043/Vertigo/1971(original)
SRMC0028/Si-Wan/???(reissue(gimmick cover))
70年代前半から活動をしている、ルネッサンスであるが、本作はオーケストラと、ロックバンドの融合で美しい音世界を作り出した名盤。曲は大作揃いで全5曲、展開しまくる訳でもないのに長い曲がだれないのは楽曲の完成度が高いからだと思う。
バンドの華は英国屈指の歌姫アニー・ハズラムで、美しく伸びる高域と説得力の有る低域にかなう人物はいないだろう。ジョン・キャンプの弾むベースプレイも大好きだ。ルネッサンスはフォークにロックとクラッシックとを加え融合させたような音作りで、本作でそれを極めた感が有る。ただ、ルネッサンスが所謂、「プログレ=実験的」というのはちょっと違うと思う。ルネッサンスのオーケストラの導入には本当に無理がない。実験的にオーケストラや弦楽器を入れたアルバムと違い、オーケストラの音が自然にバンドに溶けこんでいる。
本作の他にも「燃ゆる灰」もお薦め作品。「空耳の丘」の厚い音作りが好きな人に合うでしょう。
遊佐度
廃盤度
WPCP-4218/ワーナー・パイオニア/1977
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96年に注目されている音楽の一つにケルト音楽がある。ケルト民族の魂の歌とロックと融合させたイオナの本作は1stである。形態からすれば女性ヴォーカルのロックバンドである。ヴォーカルはAll About Eveのジュリアンヌ・リーガンの様な憂いのある声質である。さらに、この繊細で泣きのGuitarやSaxはどうだろう。一瞬70年代GenesisやオランダのCodaを思い出してしまう。
歌詞はケルトの古い伝承から得た物も多く、まさにケルト民族でしか歌えないものを持っている。サウンドもアイルランドの荒涼とした大地を思わせ、なだらかに遠くまで透明に広がる風景が目に浮かぶようである。
サウンド的には「水色」をロックアレンジした物とも言えるが、独特の歌詞世界を堪能して欲しい。
遊佐度
廃盤度
PCCY-00904/ポニー・キャニオン/1990
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