The Soramimi Rock Music Museum

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「瞳水晶」LP 28・3H-5009 〜CDとのジャケット違い〜


HITOMISUISHO LP Jacket(Front) JPEG
 瞳水晶LP表ジャケット(23KB Prog-JPEG)

 さて、遊佐未森の「瞳水晶」はCDだけではなく、LPとMT(カセット)も同時に発売されている。これは「空耳見聞録」に記載されているのでご存じの方も多いと思う。CDだけ持っていれば音楽を聴くのには十分である。しかし、LPとCDではジャケットのデザインがかなり異なっているのである。


HITOMISUISHO LP Logo(JPEG)

 まずは、ジャケット表だが、右上のロゴ周りが異なっている。LPのロゴは黄色だがCDでは金色(下のHITOMI...と同じ色)である。また周囲の4個の菱形がLPは玉虫色になっているが、CDでは、赤、青、黄色の単色となっている。このようにジャケット表は、一見大差がない。
 瞳水晶LP表ジャケット部分(7KB Prog-JPEG)


HITOMISUISHO LP Jacket(Back) JPEG
 瞳水晶LP裏ジャケット(25KB Prog-JPEG)

 しかし、ジャケット裏はかなりデザインが異なる。ジャケットの左側に注目してみよう。CDでは、横書きで曲目が日本語で書かれているが、LPでは斜めに、ローマ字で曲目が書かれている。加えて、レコーディングメンバー等も書かれている。


 次が問題の歌詞カードである。
 CDは1頁目がタイトルとアーチスト名、2頁目が「のどかなのがいい。広い空き地で....。」という文章、3頁目が腰に手をあてた遊佐の写真、となっている。しかし、LPは30cm四方の2つ折り両面印刷(片面カラー)となっていて、CDの1〜3頁に相当する部分がカラー面に来ていると思いきや、1頁目に相当するものはなく、2頁目は日本語、英語の併記になっている。ちなみにこの日本語の英訳がジャケット裏のベジエ曲線に載って書かれている英文だったのだ!そして、3頁目の写真はLPでは全く見当たらない。
 さて歌詞の部分はCD、LPでは差が無いが、強いて相異点を言えば歌詞の下のマーク(?)がLPではレイアウトの違いのため奇数頁の物しか描かれていない事である。


HITOMISUISHO LP Card(Left) JPEG
 瞳水晶LP歌詞カード左側(29KB Prog-JPEG)

HITOMISUISHO LP Card(Right) JPEG
 瞳水晶LP歌詞カード右側(39KB Prog-JPEG)


 最後にLPの歌詞カードの表、カラー面に戻ってみよう。鋭い方なら気付かれたと思うが、23ページ分の歌詞などがLPの歌詞カードの白黒面とすれば、カラー面は大幅に空白が出来るはずである。何が描かれているのであろうか?そのヒントは遊佐の2nd、3rdアルバムの中にある。まず、未発表写真である。これは、初期の雑誌、譜面集で使われているかもしれないが、私はまだ見たことはない。内容は、ジャケットの撮影現場付近で撮影された遊佐であるが、ジャケとは随分服装が異なっている。しかし、わざわざ服装を変えてせっかく撮影したものがLPでしか使用されていないというのは不自然だと思うのであるが?加えて、歌詞の一部の英訳である。ちょうど2ndアルバムの童話の脇に書かれていたような数行の英訳が写真一枚一枚の下に載っている。これらの写真は合計6枚で、英訳は"月姫"、"ステイション"、"桜"、"花ざんげ"、"水夢"、そして"Destination"の6曲に対して載っている。また、写真のうち"水夢"といっしょに載っているものは、「桃と耳」の3頁めの物と同一である。さらに、CD歌詞カード裏表紙の遊佐の写真に相当するものは、LPになく代わりに同じバック、服装で笑顔の遊佐がLP歌詞カードカラー面に載っている。


 これらから推測される事として、「瞳水晶」のジャケットはLPが本来のサイズとしてデザインされている、というものがある。根拠の一部としてジャケット裏の"It's good to be relaxed singing...."という一連の文書がCDでは字が小さくなり過ぎて読めない部分が存在する。しかしLPだと全部読める大きさである。また、LPのデザインをそのまま縮小すると曲目が読めなくなってしまうのでCDでは曲目表示の部分の変更を行ったのではないであろうか。「瞳水晶」LPを見ると気付くのだが文字は帯以外は全てアルファベットを使用しており、ジャケットデザインの統一感を狙っていると思われる。しかし、情報量の多いLPデザインをそのまま縮小すると、文字が読めない。曲目は書かない訳にはいかない。英語を横書きにすると長すぎて収まらない。ということで、不本意ながら日本語の曲名表示となったのではないであろうか。


空耳音楽博物館館長宛のMailはこちらへ。
yusa@highspec.org

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