The Soramimi Rock Music Museum

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遊佐未森のアナログレコード 〜有線放送用LPとEP〜


「ハルモニオデオン」ゆうせんYKL-054

 一番発見率が高いのが本LPである。本LPでは収録時間の関係か、大幅に曲順が直されてしまっている。つまり

 A面 1.暮れてゆく空は 2.ふたりの記憶[Man & Iron] 3.僕の森 4.M氏の幸福 5.WATER
 B面 1.時の駅 2.街角 3.山行きバス[道草ノススメ] 4.空色の帽子 5.0の丘∞の空(Version II)

 といった曲順になっている。ジャケットは白い厚紙で、ワープロで打たれた倍角というギザギザの文字で表記された、曲目、タイトルが書かれた正方形の紙がセロハンテープで貼り付けてある。こんな粗末な作りは70年代のアナログブートでもなかなか見掛けない。まあ、有線でかけるものだから、ジャケットなどはどうでも良いのであるが。

 さて中のレコードを見てみよう。ジャケット同様に質素な作りである。レーベル面は白。これに文字のみが書かれている。ちょっと面白いのはB面である。まず、3曲目の曲名が「山行きバス[道草のススメ]」となっている。そう、正しくは「ノ」が平仮名の「の」になっている。ただそれだけ。(笑)もう一つ。「0の丘∞の空(Version II)」もミスがあって、「〇の丘〇〇の空(Version II)」となっている。まあ、無限大の記号が無いのは印刷屋にその活字が無かった、ということにしておこう。でも「0(ゼロ)」が無いのは印刷屋としてまずいのではないのであろうか。


「地図をください」ゆうせんYKS-076
w/「Baby Don't Worry/The Street Sliders」

 これも7"盤であるが、こちらはいわゆる、ドーナッツ盤で45回転になっている。このレコードに至っては歌詞はThe Street Slidersの方は記載されているのだが、遊佐未森の「地図をください」は全く載っていない。でも、良く考えれば、有線放送に使用するから歌詞は載っていなくても、支障はないのだ。


「0の丘∞の空」ゆうせんYKS-080
w/「Love Overtime/鈴木雅之」

 本レコードは7"盤なのに33回転のちょっと珍しい物。EPアダプターも不要のレコードである。演奏時間は4'44"しかないので特に33回転にする必要は無いはずであるが...
 さて、中身であるが歌詞カードは特になく、スリックジャケット(?)の裏側に正式に発売されているCDsの歌詞カードを白黒コピーしたものが載っている。購入した時には、盤が積み重ねられていた様子で他のレコードの歌詞がしっかりとジャケットに移ってしまっている。ちょっと気になるのがジャケットに「*A,B面ともリクエスト集計対象外 B面はポピュラー曲なので4CHで放送してください。(以下省略)」と記載されていることである。遊佐はマイナーなのであろうか?

 そしてこのEPもLP同様、レーベル面でミスをしている。今回はちょっと進歩して(?)「0の丘〇〇の空」となっており、レーベルを作った印刷屋にも「0(ゼロ)」の活字があることが証明された。


 これらのレコードは全て見本盤と書かれている。しかし、レコード会社以外が見本盤を作るということは、不思議ではないであろうか。つまりレコード会社が宣伝用に渡すためのレコードが見本盤なのだから。
 これは伝聞でしかないので正しくないかもしれないが、こういったレコードは有線放送の各スタジオで送り出しのために、有線放送の会社が独自に作成しているレコードのようである。それでは上記のレコードは当然、正規盤が有りCDで発売しているのであるから、何故、わざわざアナログレコードを作るのか?というもっともな疑問がある。意外なことに、送り出しのスタジオでも業務用のCDが配備されていなかった所も多く、それらの場所で演奏するために作られたという事である。
 確かに、90年代に発売されたCDでこのような、有線放送用LPが存在している物は非常に少ない。遊佐未森は媒体がアナログからデジタルに切り替わる時期に出現したミュージシャンであったのだ。


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yusa@highspec.org

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