まず、ソラミミ倶楽部発行の「SORAMIMI VOICE Vol.3」97年3月発行の投票結果を見て頂きたい。曲目の次は、作曲、作詞の順に記述している。
さて、全12曲の内、外間隆史作曲が7曲、工藤順子作詞が8曲という結果である。さらに面白いのが、各曲の収録アルバムを調べると
「瞳水晶」 0曲 「空耳の丘」 2曲 「ハルモニオデオン」 1曲 「HOPE」 5曲 「MOSAIC」 2曲 「水色」 0曲 「アルヒハレノヒ」 1曲 「acacia」 0曲 「roka」 0曲
という内訳になる。97年3月の会報の継続の情報から考えて、ソラミミ倶楽部の会員番号は9000番付近が最新番号と思われ、筆者が番号の真ん中付近であろう。筆者の加入時期は確か「MOSAIC」が発売された後である。
つまり、ソラミミ倶楽部の半数は「MOSAIC」以降のファンである可能性が高い。しかし、彼ら、彼女らが選んでいるのは「MOSAIC」以前の作品が多いというちょっと矛盾した傾向が見えてくる。
さらに、「外間隆史作曲、工藤順子作詞」の俗に言う黄金コンビの曲が半数を占めている。筆者は遊佐未森の作曲能力は余り評価していないので、妥当な結果なのかも知れない。「外間離れ」が顕著な近年の遊佐未森が今後、どのような楽曲を創り、その結果がどうなるのか興味深いところである。
最後に近年の作品から選ばれている"Diary"であるが、これを会報26号で「Queen Fanの僕には、嬉しい」という理由で選んだスタッフがいたが、非常に危うい。確かに、Queenの楽曲の要素〜背が伸びていて、ちょっと大仰で、芝居がかっていて、ポップで〜が強烈に感じられ、故フレディ・マーキュリーが歌っても違和感が無いのではと思う。
この曲は「アルヒハレノヒ」では「(従来の)遊佐未森らしい」と言われる事が多い。つまり、「遊佐未森らしい」という中には伝統と栄光の、70年代大英国帝国ロックが多分に入っている事を計らずとも証明してしまったのでは無いであろうか。
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